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ぬくもり動物日記

冬になると咳がふえる~気管虚脱かもしれません

こんにちは!まいたけです。

秋の日はつるべ落としといいますように

本当に日が短くなってきましたね~。

夕方のお散歩は真っ暗になりましたね!

みなさん、お散歩ライトやリフレクターなど上手に活用して

安全にお散歩を楽しんでくださいね☆

さて今回のテーマは『気管虚脱』です。

聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。

小型犬に多い病気ですが、ビーグルや柴犬でもよくみられます。

もちろんミックス犬にもみられる病気です。

「カッ、カッ」という咳からガチョウの鳴き声のような「ガーガー」した呼吸音まで症状が幅広くでることがあります。重症な子では、診察中もそのような呼吸音をしている子がいますが、軽症であれば症状はたまにしかでないこともあります。

コフテストといって喉元をキュッと押す検査がありますがこれだけでは診断は難しく、レントゲン検査を行い、気管がせまくなっていることを確認する必要があります。

治療としては、内科療法と外科療法があります。

軽症な場合は、日常生活に大きな支障がないことが多く、

・ダイエット

(肥満は気管虚脱の症状を悪化させます)

・首輪からハーネスへの変更

(首になるべく刺激を与えないようにします)

・保温・加湿を行う

(部屋を暖かくし(寒暖差を減らす)、加湿をすることで咳頻度が低下することがあります)

これだけで症状が改善することがあります。

咳頻度が多く、日常生活に支障がでてくる場合は治療が必要になります。

炎症を抑えるステロイド剤や、咳止め薬、気管支拡張薬、去痰剤など様々なお薬を組み合わせることがあります。わんちゃんによってどのお薬が効きやすいか異なるため、飼い主さんと相談しながら一緒に治療をおこなっていきます。数日で治る病気ではないので、数週間から数か月単位で治療をしていきます。冬を過ぎると症状が落ち着いてくる子もいますし、1年中症状が続くこともあります。薬によって症状がなくなる子もいれば、軽くなったものの症状が少し残る子もいます。

またネブライザーを使ってお薬を蒸気にまぜて直接気管に届ける治療もあります。

外科療法としては、ステントといってつぶれてしまう気管をひろげるかたい殻のようなものをいれる手術を行います。合併症もありますし、炎症が残ったり再発することもあります。手術になりますので、麻酔のリスクももちろんあります。

 

気管虚脱は根治が難しい病気です。上手に付き合っていく必要があります。

さて、咳はほかにもこわい病気が原因のことがあります。

この地域で多いのはフィラリア症です。

みなさんフィラリア予防はしていますか??

1年忘れてしまうだけでかかってしまうのがこの地域です。

咳がでるといった症状の患者さんには必ず!「フィラリア予防はしていますか?」ときいています。それくらいこの地域では大切なことです。

フィラリア症になると肺動脈や心臓が大きくなったことで気管を圧迫したり、肺や気管支に炎症がおきたり、アレルギー性の肺炎のようになることもあり咳がでます。

この病気は命に直結するびょうきですし、お薬で予防ができる病気なので

みなさん、忘れずに投薬しましょう。

フィラリア症はねこちゃんにもかかります。実際に千葉県内で猫のフィラリア症が確認されています。ねこでは呼吸が苦しい、まれですが咳がでるといったこともあります。猫喘息の症状に似たかたちででることが多いです。

犬も猫もしっかりフィラリア予防を行いましょう。

ほかにも肺炎や気管支炎、慢性気管支炎、気管支軟化症、異物やがんによって気管がつぶされてでる咳や、心臓病などが原因になります。

本当に様々な原因で咳がでます。

あれ?咳が増えたかな??咳をするようになったかな??

そう思ったら診察のタイミングです。

悪化する前に一緒に診断、治療をしていきましょう。