ぬくもり動物医療センター

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皮膚科
DERMATOLOGY

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皮膚のトラブルに悩まされているわんちゃん、ねこちゃんはとても多く特にわんちゃんでは来院理由のトップが皮膚疾患となっており、ねこちゃんでも3番目となっています。皮膚症状の原因は様々で、お薬の投与などですぐ治まる場合もあれば、一生涯の付き合いになる病気が背景にあることもあります。原因の病気や、わんちゃんねこちゃんの性格・生活スタイルに合わせた検査、治療をご提案させていただいておりますので、お困りのことがありましたら是非ご相談ください。
皮膚は“内臓の鏡”とも言われます。皮膚症状のほかにも気になる体調不良やいつもと違う様子がある場合は是非ご来院ください。

次のような症状がある場合は受診をお勧め致します。

  • 皮膚、耳が赤い
  • 皮膚、耳を掻いている、舐めている
  • 毛が薄い、脱毛している
  • ふけが多い
  • 皮膚がべたべたしている
  • 皮膚が薄い
  • 皮膚に赤い/黒い/白いポツポツがある
  • 皮膚に黄色いふくらみがある、膿がついている
  • かさぶたが付いている
  • 耳だれがひどく、耳が臭う
  • ノミ、ダニが付いている

当院で実施可能な検査

  • スタンプ検査
  • 抜毛検査
  • テープストリッピング検査
  • ウッド灯検査
  • 細菌培養検査
  • 真菌培養検査
  • アレルギー検査(血液検査)
  • 内分泌検査(血液検査)

よく見られる皮膚疾患

〈食物アレルギー〉

食事に反応することで生じるアレルギー疾患です。
季節や年齢に関係なく発症し、かゆみによって皮膚を掻いてしまうことで皮膚炎をおこします。耳のかゆみから始まる場合や、あるいは耳に限局した症状が認められる場合もあります。除去試験という、アレルギーの原因と考えられるたんぱく質を含まないフードへの切り替えを行い、皮膚の状態の改善を図ります。厳密な食事制限が必要であるため、おやつも同時に制限します。しかし、症状が改善した後は必ずしもアレルギー用フードを続ける必要はありません。1種類ずつたんぱく質を加えていき、症状が出ないものは食べても問題ないという判断ができ、かゆみが出る場合はそれが原因物質であると特定することが出来ます。これを負荷試験といいます。以前のフードを改めて食べてもらい、症状が出ないのであれば元のフードに戻すことも可能な場合があります。血液からアレルギーの原因物質を調べるアレルギー検査もあり、アレルギーの原因となりうる候補のリストアップをすることが可能です。

〈アトピー性皮膚炎〉

環境中のアレルギー物質が原因となる、かゆみを伴う皮膚炎です。基本的に1~3歳のうちに初めて発症することが多く、症状に季節性があります。掻くことによって皮膚の状態が悪化していくため、薬でかゆみを抑えたり、服を着せて皮膚を保護したり
シャンプーによるスキンケアで肌質の改善を図るなどします。わんちゃんでは、アレルギー検査でヤケヒョウヒダニというダニが持つ抗原(Derf2抗原)への反応が見られた場合、抗原を体内に注射して体質の改善を行う、減感作療法を選択することが出来ます。

〈ノミ刺咬性アレルギー性皮膚炎〉

ノミに刺されたところに赤いポツポツができたり、過敏症の子では広い範囲で皮膚症状が見られたりします。
春から夏のノミ発生の季節に最も多くみられますが、一度家の中にノミが入り込んでしまうと、ノミがそのまま住み着き、季節問わず皮膚症状に悩まされてしまうことがあります。ノミ落としの薬や、かゆみがひどい場合はステロイドを使用し治療を行います。同居の子たちへのノミ落とし投与や生活環境中のノミ駆除も重要です。

〈疥癬症〉

ダニによる皮膚炎で、わんちゃんではイヌセンコウヒゼンダニ、ねこちゃんではネコショウセンコウヒゼンダニというダニが原因となります。激しいかゆみを生じ、耳や顔回りに何重にもなったごわごわとしたかさぶたが付く、特徴的な皮膚症状が見られます。ダニ落としの薬と、かゆみが尋常でない場合それを止めるためのステロイドを使用し治療を行います。
寄生したダニに刺されることで、ご家族がかゆみを伴う皮膚炎を発症することもあります。ねこちゃんを可能な限り外に出さないこと、ダニ落としを普段から使用することで感染のリスクを回避できます。

〈皮膚糸状菌症〉

皮膚糸状菌症(カビ)による皮膚疾患で、若い子や高齢等で免疫力の低下した子に感染しやすい疾患です。通常かゆみは見られないか軽度ですが、まれに強いかゆみを伴うこともあります。皮膚の脱毛として通常発見されます。診断は顕微鏡による検査、ウッド灯検査、培養検査等を組み合わせて行っていきます。同居の子やご家族にも感染する場合がありますので、早期発見し治療することが大切となります。長期的な治療が必要となる場合もあります。

〈甲状腺機能低下症〉

甲状腺の働きが低下し、甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなることで起きます。代謝が落ちることにより、食べる量は少ないのに体重が増える、何となく元気がない。かゆみのない体の左右対称の脱毛、鼻の脱毛と黒い色素沈着などの症状が見られます。その他特徴的な症状として尻尾の毛がなくなる(ラットテイル)、粘液水腫というものが顔の皮膚にでき、弛んで悲しそうな表情になる(悲愴的顔貌)というものがあります。不足した甲状腺ホルモンを補うため、ホルモン剤を飲んで治療していきます。症状の改善には通常数週間~数か月かかりますが、その後もお薬は生涯にわたって飲んでいく必要があります。

当院での症例